2015年03月25日

『モユルヒ』終演

絡繰機械’s劇団内ユニット「もやしとこけし」公演『モユルヒ』終演しました。


『モユルヒ』終演



まずはこの無謀ともいえる公演にご協力いただいた皆様、そして会場まで応援に駆けつけて下さった皆様、本当にありがとうございました。気持ちだけが先行していて至らない点も多々あった公演だったと思います。ご迷惑もたくさんかけてしまい、申し訳ありませんでした。



本番が近づくたびに自分の認識の甘さが露呈して時間に追われる毎日。



初めての作・演出、二人芝居の二本立て、絡繰機械’sではない公演・・・・何もかもが未経験のことばかりで、最初の挑戦にしてはかなりハードルが高く無謀だった今回の公演。それでもやると決めたのは、限界以上のところに目標を置いたほうがいいと思ったからです。


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演



非常に自分勝手な理由だと思います。でもお客様に観てもらう以上、クオリティだけは絶対に下げたくなかったんです。絡繰機械’sの役者として舞台に立ち続けたいなら、未熟な部分も含めて痛い目見なきゃやる価値がない。それこそただの自己満足で終わってしまう。



だから私は絶対に忘れません。謝るだけで終わらせません。
今回受けた悔しさは必ず今後の自分への糧にします。舞台で返します。
このままやめてしまったらそれこそ意味がないんです。



これは始まりの一歩。ここからが本当の勝負です。






今回の舞台ではたくさんの方のご協力をいただきました。
私たち二人では決して成し遂げられなかった『モユルヒ』。支え続けて下さった皆様および絡繰機械’sの劇団員に本当に感謝してます。



とくに楽曲を提供していただきました川口直久さん。


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演



深夜遅くまで稽古に付き合ってくれ、私たち二人のイメージする音楽を最後の最後まで妥協せず作り上げてくれました。何度も話し合いました。何度も何度も改良していただきました。よりいい作品にしたいという思いだけが、私たちの繫がりを強いものにしてくれていたのだと思います。



川口さんの音楽に対する姿勢はとても熱く純粋です。



その熱さは私のように目に見えやすいものではないのかもしれないけど、ただひたすらに音と向き合い自分を高めていく感覚はとても近いものを感じます。川口さんの音楽がなかったら『モユルヒ』は完成しなかったと思います。世界観を作り上げてくれた川口さんには伝えようのない感謝の気持ちでいっぱいです。



そして私たちの戦いを撮り続けてくれた片岡知行さん。


『モユルヒ』終演



片岡さんの優しいまなざしと雰囲気に幾度となく癒されました。野菜ジュースの差し入れ、すごく嬉しかったです。大道具作りまで手伝っていただいて、本当に助かりました。「何かできることがあれば言って下さいね」って笑顔で稽古場にいてくれることが、どれくらい私の心の負担をかるくしてくれたことか。



お二人と共に過ごせて光栄でした。絶対またいつか一緒にやりましょう!






今回は全然チケットが売れなくて本番当日まで集客が心配だったのですが、実際に幕が上がってみるとなんと130名以上のお客様がこの挑戦を見届けに来て下さいました。こんなにもたくさんの方が私たち二人の挑戦を待っていてくれたなんて、言葉にならないほどに胸がいっぱいになりました。



遠方からわざわざ来てくれた方もいました。いつも応援に駆けつけてくれるお馴染みさんもいました。初めて観に来てくれた方も、久しぶりに会いに来てくれた方もいました。忙しい合間をぬって顔だけ出してくれた方、何公演も観てくれた方、あたたかいコメントをくれた方、叱咤激励をくれた方。


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演



差し入れもたくさんいただきました。固い握手をくれた方もいました。泣いてくれた方もいました。一緒に喜んでくれた方もいました。写真もたくさん撮っていただきました。ブログやSNSでたくさんたくさん紹介していただきました。



私は幸せな役者です。
本当に、本当に、幸せ者です。



どうしたらこの想いに応えることが出来るんだろうと考えるんですが、やっぱりそれは舞台の上でしかないんですよね。これからも私は精一杯走り続けます。常に限界以上を目指して突き進みます。なのでこれからも私たちを見守り続けて下さい。待っていてくれるかぎり、必ず最大限で応え続けてみせます。






作品についてちょっとだけ。



私は人の心の在り方というものに昔から興味があります。役者をやっているのもその影響があったりするのかなと、今回自分の舞台を作ってみて初めて感じました。


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演



目に見えている世界は、結局のところ頭の中で作り上げられた仮想現実でしかないということ。聞こえる音も触っている感覚も全て主観でしかなく、正確には誰とも共有することが出来ないもの。それならば意識している自分と他者の境界線や、記憶と思い出の境界線は、一体どこにあるんだろうか。なんとなくそんなことをぼんやりと考えながら舞台を作りました。



初めての脚本・演出だったので作品の意図を伝えられる手段が乏しく未熟な舞台だったと思います。それでも多くの方が作品と真っ正面から向き合ってくれ、たくさんの感想や意見を下さいました。本当にありがたいことです。何か残せるものがあったとしたなら光栄です。


『モユルヒ』終演『モユルヒ』終演



こんな大変思いはもう二度としたくないと思っていたはずなのに、公演が終わった今、次はどんな作品を作ろうかなとすでに考えている自分がいます。あ、もちろんまずはカラクリの次公演が最優先ですが(笑)、そういうことではなく今後も台本を書いたり演出をしたりしていけたらいいなと思ってます。次を楽しみに待っていてくれる人がいるなら、やっぱり応え続けていきたい。





最後に。相方きゅんへ。



たまに私のことを追い抜かそうとするから、なめてんじゃねえって私もさらに加速していくことが出来たよ(笑)。妥協せずにいられたのもきゅんが一緒だったから。きゅんが絶対諦めないから私も諦めないままでいることが出来た。相方がきゅんでよかったというか、きゅんじゃなきゃ駄目だったんだと思う。『モユルヒ』を一緒に創り上げてくれて本当にありがとう。



どうせこれからも一緒に舞台をやっていくんだから
受けた痛みは一緒に舞台に返そう。


『モユルヒ』終演


あーもーとんでもなく長い文章になってしまいました。それでもまだまだ書き足らないことだらけでビックリしてます。とてつもなく過酷な日々だったけど、やってよかったと心底思ってます。



幸いにも次公演に向けてすでに動き出しているので、また2ヶ月後には舞台の上という最高な環境にあります。今回得た全てのものを糧に変えて、また次のステージへと踏み出していきたいと思います。



『モユルヒ』終演



応援して下さった全ての皆様に愛と感謝をこめて。

 

 


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Posted by show-co at 17:03│Comments(2)劇(芝居関係)
この記事へのコメント
全てを読み終えて、なんか感動で涙を流しちゃってます。
祥子さんのファンで本当に良かった。
今回は、知り合いに「まさよしさんが、今度、絡繰の人が、祥子さんが、きゅんさんが、って会うたびに言うもんだから見に来たけど、不思議だったし、怖かったけど、面白かったよ」と言われて、自慢気に「でしょう」なんて答える事が出来た事、嬉しかったし、誇りに思いました、ありがとうございました。
いっぱいいっぱい書きたい事あるんですが、おそらくうまくまとまんないだろうなと思うんで、今回の舞台で得た色々な事を糧に次回の公演へ向かう役者馬鹿、我がイチオシ劇団の看板女優に期待していますとの
言葉で締めておきたいと思います。
Posted by 正義 at 2015年03月25日 18:12
>正義様

そういってもらえて心底安心しました(^^)
今回は本番が終わるまで全然自信が持てなくて
不安で不安で仕方なかったんですが
一番のファンにこんなにも喜んでもらえたのなら
それだけでやった甲斐があるってもんです!!

本当に貴重で素晴らしい経験を積むことが出来ました。
でもこれで終わりではないし
多分ここからが始まりだろうなという気はしています。

これからもより一層頑張っていきますので
カラクリ共々宜しくお願い致します☆
Posted by show-co at 2015年03月27日 11:20
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    コメント(2)